エンジンブレーキって何だろう?
よく長い下り坂などの前には、あまりブレーキを多用せずエンジンブレーキにて減速するようにと注意書きを見たことがある方もいらっしゃると思います。その理由としては長い下り坂でブレーキを多用するとブレーキが異常に加熱し効かなくなるという現象が起こる可能性があるからです(関連用語・・・ベーパーロック、フェード現象))
ここでエンジンブレーキとは何かについて簡単に説明したいと思います。エンジンブレーキとは、エンジンブレーキという装置がついているわけではなく、エンジン自体の抵抗による損失でブレーキ作用を起こすものです。(アクセルペダルを緩めた際に発生する制動作用) ここでエンジンの抵抗について簡単に説明します。エンジンの抵抗にはいろいろなものがありますが、エンジンブレーキのときに働く大きな抵抗は、エンジンのピストンの移動による損失(圧縮時の損失)(吸入時の損失)が大きな割合を占めます。
☆圧縮時の損失を簡単に説明するとエンジンのピストンが下(下死点)から上(上死点)にあがる圧縮の行程のときの損失になります。最近の車はアクセルペダルを離した際は燃料をカットするので、その場合燃料と空気の混合気を圧縮するのではなく空気だけを圧縮します。そのためエンジンは燃焼することができず、圧縮するとき大きな損失が発生することになります。
☆吸入時の損失はアクセルペダルを離すと、それと同時にエンジン内に入る空気の量を調整しているスロットルバルブも連動して閉じます。そうなるとピストンが上から下に移動する際に、空気をあまり吸入することが出来ずにエンジン(シリンダ内)が負圧になります、そのことによりピストンの移動する際の抵抗が大きくなり大きな損失が発生することになります。
上記の説明では、なかなかわかりにくい部分もあった方もいらっしゃると思いますが、エンジンブレーキを完全に理解するためには自動車の内燃機関の構造、また駆動伝達の構造を深く理解する必要があります。これを理解することはとても大変なことです。私自身すべてを理解しているわけではありませんので、もし、もっとわかりやすい説明があるという方がいらっしゃれば当サイトの掲示板にぜひアドバイスをお願いいたします。