ハイエースヘッドライトHID
今回は200系ハイエースのヘッドライトをHID化するというDIYについて解説していきたいと思います。ちなみに今回使用するHIDキットは消費電力55Wのもので通常のHID(35W)のものに比べるとかなり明るいものとなっています。
○下記の画像が今回交換する200系ハイエースの画像になります。右下画像がDIY完成後の画像です。
○まず最初にヘッドライトを外す作業にかかりますが、ヘッドライトを外すためには、バンバーなどの部品を取り外す必要がありますので下記画像のようにバンバーを固定しているクリップを取り外します、下記画像では特殊工具を使用して取り外していますが、マイナスドライバーなどでもクリップの取り外しは可能です。最終的にはフロント周りの部品はほとんど取り外してしまいます。
フロント周りのほとんどの「ぎ装品」(バンパー、ヘッドライトetc・・・)はクリップやビス、ボルトなどで固定されていることが多いのでそれらのものを取り外すことによってぎ装品を自動車から取り外すことができます。
○クリップは□で囲んだものになります。
○上記の画像に記しているようなクリップ、ボルト類を取り外したら下記左下のようにバンパー、ヘッドライト類を取り外します。バンバーを取り外すときの要領としては、ひとりで外す場合はバンパーが急に落下してくるのを防止するため、マスキングテープや、ひもなどでバンバーを仮に固定して、車両の下に毛布などの柔らかい素材を広げておき、その上に取り外したバンバーなどを置くようにしましょう。またヘッドライトや他の部分、バンパーなどの傷つき防止のため傷つきやすい部分をマスキングテープで保護すると安心して作業を行うことができます。
二人で行う場合は車両の両側に一人ずつ待機し二人でバンバーを抱えるようにして取り外します。取り外した後は傷などがつかないような場所にバンパーを置くようにしましょう。
下記、右下 左下画像のピン(□で囲んだ部分)はヘッドライトが取り付いていた部分になります。
○下記の画像がHIDを取り付けるための、ハーネス&リレーのキットになります。ここからは配線を、自動車のフレームに沿って取り回しを行っていきます。
○補足・・・ハイエースのバッテリは助手席下に設置されていますので助手席のバッテリからヘッドライトの電球までの配線の取り回しが必要になってきます。
まず位置決を兼ねてリレーをロックタイ(タイラップ)で、邪魔にならないところに仮止めします。
次にHIDキットのコネクタを車両側の、ヘッドライトの三極端子に接続します。このHIDキットの場合、加工は必要ありません
左下画像はHIDキットのアースになります。車両のボディにとりつけます。この際に正確にアースがとれているか確認するようにしましょう。
(左アース)
(右アース)
ハイエースの場合メイン配線だけではHIDキットまでの長さが足りないため、市販の配線を使用して配線の延長作業にかかります。
今回は配線の太さ(SA)が既定のものよりも細かったため、二本を結束させ、既定の配線と同等の容量にします。
※配線が細いまま使用すると、ジュールの法則によるジュール熱で配線が焼けてしまう可能性が大きくなりますので、既定の配線がない場合、配線の容量を増やす必要があります。
右下画像はヒューズになります・・・ヒューズの役割とは?
結束した配線は、劣化、摩擦での断線保護のため下記画像のような保護カバーで覆っておくようにするとより確実な作業を行うことができます。
上記作業で結束した配線をエンジンルームからフロントのHIDキットまで通していく(取回していく)作業にかかります。この際にバッテリのプラス側の配線(右下□で囲んだ部分)はプラス端子と接触しないようにする必要があります。その理由としては配線を取りまわしている最中にボディーに配線がプラス端子と接触しているまま触れるとショートして配線が焼けてしまう可能性が大きいからです。
バッテリのすぐそばの自動車のボディーからフレームに沿ってフロントまで配線を通している画像です
下記の画像がエンジンルームから通した、結束配線をHIDキットのバッテリ直の配線と結合している画像です。
配線の結合は圧着工具などを使用してしっかり固定し、その後保護カバーにて配線保護を行うようにしましょう。
左側のHID昇圧キットをメンバー内に収納します。この際にHIDキットの裏側に耐熱性の両面テープを貼り付けHIDキットが動かないように固定しておきます。
右下画像の右側メンバーは狭いためエアクリーナー一式を取り外す必要があります。下記画像はエアクリーナー類を取り外している画像です。
エアクリーナーを固定しているボルト、ビス類を取り外し、エアクリーナー一式を取り外します
エアクリーナー一式を取り外したらHID昇圧キットを上記と同じ要領で固定してエアクリーナ一式を組みつけます。
エアクリーナー類を組みつけたら次に車両側のヘッドライトのバルブを取り外します。
純正のバルブを取り外したら、下記画像のように左右ともHIDキットのバルブと付け替えます。
HIDのバルブをHIDバルブステイとともに上記画像のように固定したらバルブの部分だけを下記画像のように取り外しゴム製の防水キャップを取り付けます。
今回の場合、ゴム製キャップの長さが純正キャップのままでは長く、HIDキットのバルブに取り付けることができなかったので、下記画像のようにハサミを使いゴムを取り付け可能な長さまでカットします。
ゴムキャップのカットが終了したら、HIDバルブをHIDバルブステイにしっかり固定します。これでバルブの取り付け作業は終了になります。
ここからはヘッドライトを外したついでにポジションランプの電球を一般電球から、LEDに変更するという作業を行いましたので、この作業の解説を簡単に行いたいと思います。
まず純正のポジションランプ一式を裏側から取り外し、電球を取り外します。
電球を取り外したら、取り外したときとは逆の要領で、LEDの電球を取り付けます。
補足・・・LED電球(発光ダイオード)には属性(電気の流れる方向と流れない方向)がありますので、取り付けの際には事前にどちら側がプラス側(アノード側)なのかマイナス側(カソード側)なのかを確認しておく必要があります。
LEDの電球を取り付けたらヘッドライトに組み付けます、これでLEDランプへの交換作業は終了です。下記画像左下(□で囲んだ部分)が交換したポジションランプの画像になります。
LEDランプの取り付けが終了したら、HIDキットの配線を綺麗にまとめる作業にかかります、まとめ方は人それぞれの作業の行い方があると思いますが、基本的には配線の劣化防止や、短絡(ショート)防止を考慮しながら作業を行うと安全な配線のとりまとめを行うことができます。
ちなみに画像右下(□で囲んだ部分)右側ヘッドライトの車両側コネクタは使用しないので(リレーで両方のHIDキットの電源を取っている為)ビニールテープなどで保護し車両の邪魔にならない部分に固定しておきましょう。
配線のとりまとめが終わったら最後に電源類を取り付けて電源を確保します。まずバッテリのプラス端子にHIDのプラス側の配線を取り付けます。
プラス側の接続が終わったらバッテリのマイナス端子と車両側のアース配線を取り付け、プラス端子マイナス端子ともに増し締めを行いしっかり固定します。
これですべての配線の接続及び、とりまとめ作業が終わりました。
上記の作業が終了したら、電気周りの作動チェックに入ります、作動チェックは本来2人ひと組で行うのが理想的ですが、一人でも行うことはできるので、すべての電気周り(ヘッドライト、ターンシグナル、ポジション・・・etc)が正常に作動するか確実に点検を行いましょう。
点検が終了したら、ぎ装品(フロント周りの部品)の組みつけを取り外したときとは逆の手順で行い作業終了となります。
下記の画像は今回使用した工具類になります。(電工ペンチ等別途必要)
下記の画像は完成画像になります。画像でも55W(HID)の明るさが確認できるものと思います。
注意事項・・・HID取り付け後、ヘッドライトなどの前照灯類は保安基準に適合するように調整を行うようにしましょう。道交法違反や基準値を大きく超えるDIYは他の自動車ユーザーに多大な迷惑をかけることになりますので注意が必要です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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