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ヘッドライト磨き、塗装 







今回はヘッドライトの磨き作業とコーティング(塗装)を
行ってみたいと思います。



ヘッドライトが経年劣化で黄ばんでしまうということはよくあることだと思います。


ヘッドライトの現在の主材料であるポリカーボネート(PC)は紫外線に弱いために
コーティングされています。


ヘッドライトの黄ばみの原因は、ヘッドライトのコーティング(塗装部分)
が経年劣化することによって発生する事がほとんどです。


このようなことから黄ばみの原因のほとんどが表面上であるということがわかります。


ヘッドライトの黄ばみは、磨き等をして改善させる事ができますが今回は少し上級なヘッドライトのリフレッシュを
行ってみたいと思います。


この方法は応用が利きますのでDIYの参考にしていただければと思います。


またヘッドライトを磨いた後に、きれいになりそのままにするユーザーもいると思いますが、ただ磨いただけでは
またすぐに黄ばんでしまいますので、磨いた後は、コーティング等をして保護をすると
美しい状態を長く保つことができます。


また、研磨をせずにライトを美しくする方法もありますが、その方法だと傷などは比較的残ったままになることが多いと思います。研磨をする方法であれば傷等も軽微なものであれば取ることが可能ですので、施工方法として覚えておくとよいと思います。



左下画像が
施工前、右下が施工後です。



(使用工具)

スプレーガン、100Vコンプレッサー、簡易トランスフォーマー(減圧水抜きツール)、ハンドマスカー
マスキングテープ30MM、エアホース、ウエス、ダブルアクションサンダー、ダブルアクションサンダー用800番ペーパー
1500番ペーパー、3000番ペーパー、シングルアクションポリッシャ、ウールバフ、コンパウンド粗目、シリコンオフ、バケツ・・・

(エアツール、スプレーガン、ポリッシャを使用しない場合)

2000番から3000番程度のペーパー、粗目のコンパウンド、細目のコンパウンド、ウエス、保護用マスキングテープ
ヘッドライトコーティング剤、洗車用クロス、バケツ、シリコンオフ・・・







1.まず最初に、ライトの表面(クリヤー部分)を研磨するための保護を行います。マスキングテープ等でライト以外のところにペーパーが当らないように保護しておきます。



2.マスキングテープで保護ができたら、次に800番のペーパーで研磨します。
ここではエアツール(ダブルアクションサンダー)に800番のペーパーをつけて研磨しますが、エアツールを使わない場合は1000番程度の耐水ペーパーで研磨してもよいです。



3.下記のように研磨をしていくとヘッドライトのクリヤー部分が落とされ、黄色の劣化した部分も一緒に粉状になってはがれてきます。

もし、専用のコーティングとクリヤーがない場合はある程度の研磨でやめておきます。

ヘッドライトは元々専用のクリヤーでコーティングされているので、簡易なコーティングでは表面の劣化が早くなってしまう為に施工しても長く美しい状態を保つことができないからです。
ここでは専用のクリヤーを使いますので、すべてのコーティングを落とします。

4.すべてのコーティングを落とすには、思い切って研磨する事が大切です。PC(ポリカーボネート)の下地が出るか出ないかという寸前まで落とすと美しい仕上がりになります。
若干であれば下地が出ても最終的には同等のクリヤーコーティングをしますので問題はありません。
※研磨の効率をあげるために800番という番手を使用しています。


5.800番での研磨が終わったら次に800番の倍の番手である1500番で800番ペーパー目を消します。
目消しについては塗装基礎編でも解説していますので参考にしていただければと思います。


6.下記のように800番で研磨した部分を1500番のペーパーでしっかりと目消ししていきます。
粗いペーパーからの研磨の場合は目消しをしっかりしないとペーパー目が残ってしまうことがありますので注意が必要です。



7.下記の画像が1500番の研磨が終わった画像です。この段階ではライトは白く曇っていますが心配はありません。



8.1500番のペーパー研磨が終わったら、次に3000番のペーパーで研磨します。
3000番のペーパーがない場合は、2000番でもよいです

2000番もない場合は、1000番や1500番のペーパーをあてるときに軽くあてると2000に近いペーパー目になります
しかし実際には1500番のペーパーでは1500番の傷がつく部分が調整してもでてきますので、後工程のポリッシングで
しっかりと1500番のペーパー目を除去する必要があります。




9.下記が3000番のペーパーで水研ぎが完了した画像です。7.の1500番の工程終了画像よりも、透明感が出ていると思います。


10.次にポリッシングに入ります。ここではシングルアクションポリッシャを使用しますが、ギアアクション等でもよいです。
シングルに比べると研磨力が劣りますので、ギアアクションやダブルアクションを使用する場合は透明になるまでしっかりとポリッシングします。

また、手で磨く場合も粗目のコンパウンドを使用して根気強く磨いてツヤを出す必要があります。


11.粗目のコンパウンド(
できればノンシリコンタイプがよいです)を少量手にとってライトにつけます。
これはボディーを磨く際にも言えることですがコンパウンドをつけすぎるのはよくありません。
ポリッシングのコツは少量のコンパウンドで研磨する(専門的には塗膜を切ると言いますが)
事が大切です。

大量にコンパウンドをつけるとコンパウンドが焼きついたり、バフがすぐに詰まってしまい適正な研磨力を確保する事が出来なくなります。


12.ポリッシングをしていきます。磨きの基礎編で解説していますが、ポリッシャを物体にあてて研磨すると熱が発生しますので、同じ位置で研磨せずにずらしながらポリッシングしていきます。また、ポリッシングしながらの温度管理も大切です。ある程度ポリッシングしたらレンズを触ってみて熱いようであれば、少し冷やしてから再度ポリッシングしていきます



13.下記がポリッシングが終了した画像です。ある程度ツヤが出ているのがわかると思います。
ちなみに、この後に細目のコンパウンド等で研磨すればさらにツヤが出ますが、今回はスプレーガンで塗装しますので塗料の密着を考慮して粗目までで止めておきます。



14.次に塗装の準備にかかります。保護してあったマスキングテープを剥がして、エアブローしてコンパウンドを飛ばしておきます。



15.次に左下画像のようにウエスを使い脱脂します。

本来であればヘッドライト(ポリカーボネート)はシリコンオフの中でも溶剤が弱いタイプもしくは、専用のシリコンオフを使いますが軽く脱脂する程度であれば、一般にホームセンターで売られているものでも脱脂できます。

脱脂しすぎるとレンズがとける可能性があるので、ハジキが発生しないようにさっと脱脂すればよいです。


16.脱脂が完了したらマスキングします。マスキングしてからの脱脂でもよいですが
専用の脱脂剤ではない場合はレンズに不具合が発生する場合がありますのでその場合は不具合部分をペーパーで再度研磨する必要が出てきます。そのために今回は先に脱脂を行いました。


17.マスキングが完了したら次にプライマーを塗ります。
プライマーは市販品でもテストしてみましたがミッチャクロン等であれば問題がありませんでした。
今回は専用の物を使用します。


18.スプレーガンにストレーナーを通してプライマーを入れます。
プライマーを吹き付ける要領ですが、これはバンパー等すべてに言えることですが、べっとりと吹き付けてはいけません
ガン距離を離し(30センチ〜50センチ程度)でうっすらと2回に分けて吹付けます。

※プライマーをかけすぎると後からひび割れたような不具合が発生することがあります。これはプライマーの塗布量を間違っているために起こる不具合です。

プライマーは本来接着剤の役目を担っていますが、
塗りすぎには注意が必要です。
特にクリヤーしか吹付けないライトに関しては目立つ不具合となります。

スプレーガンの設定ですが一般にガンの口径が1.3〜1.4の場合、プライマーを塗る際は吐出量調整は全閉から2回転開く程度でよいです。上塗りは全閉から2.5回〜3回転開きます。

この設定は運行速度、パターン塗り重ね、ガン距離、ガン角度によってプロでも違いが出るものですが、一般的には
このぐらいの設定であると覚えておくとよいと思います。



19.次にクリヤーの塗装に入ります、ヘッドライトのクリヤーを塗るコツは、一回目に少しツヤが出る程度に吹付け、すぐに追っかけぬりで二回目をツヤが出るように塗ります。
ヘッドライトに関してはあまり塗膜を厚くするとよくありませんので、このような工程になります。




20.クリヤーを塗り終わったら、乾燥させれば完成です。
乾燥後に磨き作業を入れてもかまいません。ゴミなどがついた場合は3000番程度のペーパーでライトを軽く研磨し、コンパウンドの粗目〜細目とポリッシャーで仕上げると非常に美しい仕上がりになります。








注意点

ヘッドライトに使用するクリヤーは、自動車のボディに使用するクリヤーとは異なります。
ボディー用のクリヤーは基本的には使用できませので、専用のクリヤーもしくは手で施工する場合は
専用のコーティング剤を準備していただければと思います。
市販品のコーティング剤を使用する場合でも適切な下地処理を施すことによって高い品質を確保する事ができます。






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