ここでは自動車の全塗装について、私なりの手順を説明していきたいと思います。
車高の低い車に乗っている人であれば誰でも一度や二度は自動車のバンパなどを段差などで擦ってショックを受けたことはないでしょうか。
そんな時は自動車の板金塗装の工場に出したり、もしくは自分で修理したりすることがあると思います。今回はマツダAZ−ワゴンをメタリックからホワイトに全部塗り替えてみたいと思います。
AZ−ワゴン オールペイント
1.まず塗装するにあたって邪魔になる内装の一部、外装の一部を取り外します。
2.下の画像はバンパに小さな傷があり、このまま塗ってしまうと塗装しても傷が消えずに残ってまう可能性が高いので、サンダーで傷を消します、今回はダブルアクションサンダーを使い500#のペーパーで傷を消しその後800#のペーパーで上塗用の足付けをしました。参考・・・深い傷の場合は研磨するだけでは傷は消えないのでパテを入れるなどの処置をほどこして、表面を整えましょう。
3.下の画像の作業は雨よけのバイザーを塗装の邪魔になるので外した際に両面テープのかすが、付いているのをゴム製のサンダーで取り除いている画像です。
4.3番目で行った作業の際に出たごみを洗い流し、800#のペーパーで車両全体、隅々までしっかり足付けします。(足付けとは・・・塗料を吹付ける際の付着をよくするためと、跡から塗膜がはがれたりするのを防止するために、細かい傷を塗装面につける作業のことです)
5.足付けが終了したら、足付けした際に出た、塗膜のカスをウエスを使いながら綺麗に洗い流していきます。その後、車両を完全乾燥させマスキングに入ります。
6.室内や色が付いてはいけないところはしっかりマスキングして、塗料の侵入を防ぎます。
7.マスキングが完了したら色塗り前の下準備をします。まずエアブローしてホコリを飛ばし、その後車両全体をシリコンオフを使い脂分などの除去をします。( 脂分が残った状態で塗装すると、色を吹付けた際にハジキなどが発生します。)
8.7番目の脱脂が終了したら、ホコリなどが静電気で車両に付かないようにタッククロスを使いエアブローしながら車両全体の静電気を除去します。
9.静電気除去したらいよいよ塗装に入ります。今回は時間の都合上、下塗りなしでそのままホワイトを吹き付けていきます。下の画像はバラブキ(捨て吹き)後の画像です。車両全体に薄く吹付けてある様子が下の画像から分かると思います。バラブキとは最初に薄く車両全体に吹きつけ、ハジキなどの不具合現象が起こっていないか確認するためのものです
10.ちなみに今回塗る塗料はハイブリットエコ531ホワイトです。下の画像は計量器を使いHBシンナーをホワイトに混ぜた画像です。531ホワイト1000グラム(100%)に対しシンナー450グラム(45%) 結果的には1000グラムでは色がとまらなかった為、同じものをもう一回つくりました。はっきりとは覚えていませんが約2000グラム程度ですべてを塗り終わったと思います。
11.9番目のバラブキが終わったらある程度色をとめるつもりで半ツヤ程度で、ルーフ(屋根)から順番に吹付けていきます。参考・・・(色がとまっている・・・下地が透けていない状態) (色がとまっていない・・・下地が透けている状態)
12.半つやが終わったら今度はしっかりツヤを出し、元の色が透けて見えないようにしっかり色をとめながら吹付けていきます。下の左の画像では前から見て左の側面部はある程度色がとまっています、ボンネットの部分はまだ色がとまっていないので元の色(メタリック)が薄く見えていると思います。
13.しっかり色がとまっていることを確認したら次は、クリヤーを吹付けます。クリヤーを吹付ける理由としては、ホワイトの塗膜をクリヤーの膜で保護することと、今回ハイブリット531ホワイトを使用していて、531ホワイトを塗っただけでは、531ホワイト自体はシンナーで薄めて塗っているだけで硬化剤が入っていないので、ガソリンやシンナーなどの溶剤が塗膜にかかると、溶解して色が落ちたりするので硬化剤入りのクリヤーで塗膜の結合を強くしガソリンやシンナーなどの溶剤でも溶けない強い塗膜にすることが目的です。
14.クリヤーを塗る際にもホワイトを塗ったときと同様にバラブキ、半つや、本ツヤと吹付けていきます。ここでホワイトと異なる点は、最後の本ツヤのときにしっかり肌を整えながら吹付けていくことです。(肌とは・・・スプレーガンで塗る際に魚のうろこのようなガン肌が残っていきますが、スプレーガンの塗料の吐出量やエアーの強さ、ガンの運行速度などによってガン肌が変化するので、車両全体が新車のような肌になるように考えながら吹き付けていきます。
15.14番目の作業が終了しある程度自然乾燥させ、マスキングをはがします。ここまでで一応塗装作業終了になりますが、塗膜の完全乾燥までにはかなりの時間を要するので、最低でも塗装終了後、まる一日はやみくもに塗膜を触らないようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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