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1.バッテリに関する基礎知識





バッテリの管理は大切です。


なぜなら私は昔、山の中でバッテリがあがってしまい


しかも電話は圏外、最悪でした。ひたすら車が通ってくれることを祈り待ちました。


30分後一台の車がやってきて私は必死で車の前に飛び出し助けを求めました。


バッテリの大切さを身をもって理解するいい機会となりました。










※バッテリに関する基礎知識 



一般的なバッテリは、鉛の極板を電解液(希硫酸)の中で科学的に変化させることによって、


電気を蓄えたり、放出したりしています。







またバッテリの電流を一番使用するのはエンジンクランキング時(スターターを回している状態)


で一般乗用車で約100A〜150Aです。


通常エンジン始動後はバッテリからの電気は使用されずオルタネーターからの発電した電気によって


各電装品を作動させています(オーディオ、ヘットライト、計器、エアコン・・etc)


又電気負荷が大きくなったときは(多くの電装品を一度に使用した場合)


オルタネーターからの電気の供給だけでは足りなくなります。


その場合バッテリーに蓄えられた電気を使用することになり


その状態が長く続くと結果的にバッテリが弱ったり、あがったりする原因になります。






左下の画像の電流値はトヨタ(アルテッツア)のエンジンクランキング時の


電流を表示したもので137.2アンペアの大きな電流が流れていることが分かります。


右下の画像は暗電流を測定したもので0.01アンペアを表示しています。



※暗電流とは、時計やECUのバックアップのために使用する微弱な電流のことで、キースイッチオフの状態でも常に流れています。



 













ここではバッテリの交換方法、充電方法、基本性能などを説明していきます。



1.バッテリ交換方法



今回使用工具
(10×12mmのメガネレンチ、10oのディープソケット、ラチェットハンドル)

※取り外し手順

1.まずバッテリを取り外す前に、時計、オーディオの設定などが初期に戻らないようにバックアップ電源を取ります(初期に戻ってもよい場合はとらなくてもOKです)又バックアップ専用機器がない場合、ブースターケーブルともう一つバッテリを用意し車両のプラス、マイナスターミナルに並列に接続することによりバックアップを取ることができます。

2.バッテリのマイナスターミナルを取り外します。

3.バッテリのプラスターミナルを取り外します。

4.バッテリを固定している金具を外す。

5.バッテリを取り外す。

6.新しいバッテリを乗せます。

7.バッテリを金具で揺すっても動かなくなる程度に固定する、この時ナットを締めすぎないように注意する

8.バッテリのプラス端子及びマイナス端子の清掃、防腐剤塗布を行う。この作業はバッテリの端子とターミナルの接触抵抗を最小限にし、オルタネーターからの充電効率、及び各電装品への電気の供給効率をよくする為。

9.バッテリプラス端子、マイナス端子の順番でターミナルを取り付ける。

10.ターミナルをしっかり固定し、プラス側のキャップを取り付ければ完成。








2.バッテリ充電について



バッテリがエンジンクランキング時に一番放電すること


又エンジン始動後はオルタネーターにより各電装品に電気を供給した後の


電気がバッテリに蓄えられることは、バッテリに関する基礎知識でも述べてきましたが


バッテリの寿命や、何らかの原因で放電が進んでいる場合には


バッテリを単体で充電する必要が生じてきます。


又その時の状況に応じた充電方法をとる必要があります。


まず普通充電について説明します。









普通充電とは、バッテリの性能を極力落とさずに充電する方法で


5時間率容量(定格容量)の数値の10分の1程度の電流で


放電量を充電電流で割った数値の約1.2倍の時間で充電をします。


通常ディーラーやガソリンスタンド等で一日かけて充電する場合はこの普通充電を行います




急速充電は、放電状態にあるバッテリの放電量を短時間で復帰させるために大きな電流を流す


応急的な充電方法で、最大充電電流は、定格容量の数値と同じ値で行います


それ以上の電流での充電はバッテリに悪い影響を及ぼすおそれがあるからです。


又充電時間は1時間程度とし、充電中にバッテリ液の温度が45度以上になる場合には


充電を速やかに中止します








3.定電流充電法とは


定電流充電法とはバッテリ充電法のなかでもっとも基本となる充電方法で、


充電の開始から終わりまで一定の電流で充電する方法です。


定格容量の数値の10分の1くらいの電流で12時間から15時間程度行う充電で


この充電方法の場合、充電が進むにつれバッテリ電圧が上昇し、


充電電流が流れにくくなるので充電電圧を、徐々に高める必要があります。








4.定電圧充電法とは


定電圧充電法とは電圧を一定にして充電する方法で、


約14ボルト程度の電圧を使用しています。


この方法は充電の初期段階に大きな電流が流れ、


充電が進行するにつれ充電電流が小さくなっていきます。


又ガスの発生少なく、比較的短時間に効率よく充電できるため、


自動車走行中でのオルタネーターを使った充電がこの定電圧充電法に該当します。。








電池の種類について


1.一次電池(充電できない)→乾電池 約1.5V



2.二次電池(充電できる)→蓄電池(鉛バッテリ)自動車に使用され一つの電圧約2.0ボルト(1セルあたり約2.0V×6セル=バッテリ電圧12Vとなる)



3.エネルギー変換形式→太陽電池、燃料電池








5.各種バッテリの特徴について


1.普通型バッテリ


※低アンチモン・バッテリ→陽極板、陰極板の両格子にアンチモン含有量の少ない鉛合金を使用し


比較的自己放電が少なく性能も安定している。



※ハイブリット・バッテリ→陽極版、陰極板で異なる格子を使用、陽極板は


低アンチモンバッテリと同じだが陰極板にカルシウムを含有した鉛合金の格子を使用。


自己放電が少なく現在普通バッテリで多く使用されている。








2.MFバッテリ(カルシウムバッテリ)


※基本的な構造は普通型バッテリと同じだが極板格子の材質が陽極板、


陰極板ともカルシウム鉛合金を使用。


正常な使用条件で使用すれば補水をほとんど必要としない。








開放型・・・極板格子材質以外は普通型バッテリとほぼ同じ構造。



密閉型・・・特殊セパレーター、極板とセパレータを潤す程度に注入した電解液で構成。


完全密封型で極板格子にカルシウムを混ぜることによって発生するガスをカルシウムに吸着させたり


水に還元させたりするので電解液減少が少ない。このタイプは補水不要である。








6.バッテリの構造について


@極板と極板郡



格子の中に鉛(Pb)を高温で酸化反応させ生成した、粉状鉛を希硫酸で練ってペースト状にして充電反応を行うと陽極版は茶褐色の二酸化鉛、陰極板は灰色の海綿状鉛(純鉛)の作用物質となる。



A二酸化鉛の特徴(陽極板)→多孔性に富み電解液の拡散浸透がよい。(充放電の繰り返しで年月が経過すると結合力が弱くなり表面からしだいに脱落する。)



B海綿状鉛の特徴(陰極板)→多孔性に富み電解液の拡散浸透がよい。(結合力が強いので脱落することはできないが、充放電の繰り返しにより年月が経過すると作用物質が硬化し多孔性が減少する。A、Bからバッテリは消耗品であることがわかる。



Cセパレーター



陽極板と陰極板の間に挿入し両極板のショート(短絡)を防止している。多孔性で電解液の浸透がよい。



Dガラスマット



陽極板の脱落防止。セパレーターを二酸化鉛からの酸化腐食保護。(ガラスマットがついていないものもある)



E電槽



一体形成の合成樹脂で作られていて、12ボルト用は6つの部屋に分けられている。底部は極板郡を支えると共に極板活物質の沈殿堆積、ショート防止をする「くら」を設けている。



Fふた



希硫酸、精製水の注入、電解液の比重計測のための液口栓(バッテリが発生するガスと、希硫酸の霧とを区別してガスを排気口から外部へ排出する)が設けてある。



G電解液



精製水と硫酸を混合したもを用いる。液温20度において完全充電時比重は1.28である



Hストラップ



極板を並列に接続している







7.バッテリの機能について




□で囲んだ部分がバッテリの性能、大きさなどを表わしたもので、40は始動性能と容量の関係から決められた総合性能(数値が大きいほど高性能)、Bは幅×箱高さの区分、19は長さ、Lは端子の位地(プラス端子がどちら側についているか)



1.放電→充電されたバッテリから電気エネルギーを取り出すこと。


電流を取り出し続けると陽極板の二酸化鉛、陰極板の海綿状鉛(純鉛)は両方ともに硫酸と反応し硫酸鉛となる。


又電解液は水を生成して薄くなり比重低下する
→化学反応が弱くなり必要な電圧が発生しなくなり


セル電圧が低下する。このまま電圧が低下してしまって0ボルトになってしまっては


バッテリ使用不能になるため、バッテリにはこれ以上放電してはならないという


放電終止電圧を定めている。(1セルあたり1.75ボルト)








2.充電→バッテリに電気を供給する作用、充電を行うと硫酸鉛に変わった極板から硫酸が

分離し電解液の比重は元に戻る




3.容量→完全充電されたバッテリを一定電流で連続放電しセル電圧が放電終止電圧になるまでに取り出せる

電気量。






容量(Ah)=放電電流(A)×放電時間(h)

※容量はバッテリの電解液の温度が高いほど増加し低いほど減少する。理由→電解液温度が上昇すると電解液の拡散が良好となり極板内部まで浸透が容易となるため




4.バッテリの自己放電について




自己放電→バッテリの電解液温度及び比重が大きいほど自己放電は大きくなる。



電解液温度・・・一日あたりの比重低下(温度25度の場合→0.001)




5.サルフェーション(硫酸化すると言う意味)とは


バッテリの電解液が不足し極板やセパレーターが露出して硫酸鉛が固着し


充電しても回復しなくなる現象。














最後までご覧いただきありがとうございました。



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