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1.電気に関する基礎知識(電流、電圧、抵抗)


現在の自動車のDIYや整備をする上で必要不可欠なのは電気に関する基本的な知識です。
何をするにしても今の車は電気が絡んでくるので私自身いやになります。  

でも電気の基本を理解してテスターなどを駆使し自分で電装品などを取り付けたり、故障を発見することができれば自己満足に酔いしれることができるでしょう。私もその一人です。ここでは自動車の電気に関することをできるだけ詳しく説明していきたいと思います。




電流


電流(A)とは何か、水の流れで説明すると水の量に相当します(電圧は水の水圧として考えると理解しやすい)1アンペア=(1秒当たりに1クローンの電子の移動)



※電流の三作用について

電流の三作用とは、1.発熱作用 2.化学作用 3.磁気作用 があげられます。、まず発熱作用とは導体には電流の流れを妨げようとする抵抗があります、この導体に電気が流れると熱が発生します


この作用を電流の発熱作用といいます。


化学作用とは電解液中に電流が流れると化学作用を起こします、化学作用が行われている例としてバッテリがあげられます。


磁気作用とは、導線やコイルなどに電流を流すと磁界が発生します、磁気作用の例として自動車部品ではモーターや発電機、リレーのコイルなどがあげられます。





電圧


電圧(V)とは、電流が発生するとき、電子を動かす力を電圧といい単位には(V)ボルトが使われます。自動車で使われるバッテリの電圧は乗用車で約12ボルトで、エンジン始動状態ではオルタネーターからの電圧がバッテリにかかっているため約14ボルト程度(調整電圧)になっています。このことからエンジン始動状態のときオルタネーターの簡易点検(正常に発電ができているか)ができます。


点検要領はまずエンジンが始動していないとき(IGスイッチオフ)の状態のバッテリの端子間の電圧をサーキットテスタで測ります。約12、○○ボルト付近を表示するはずです。


その後エンジンを始動して電圧が上昇(約14V)すればオルタネーターは正常であると判断できます。正常でない場合エンジン運転状態にもかかわらず、12V程度の電圧、又は最初に測定した(IGスイッチオフ)電圧からさらに低くなった電圧が表示されます。(参考・・・低くなった電圧が表示されるのはエンジン始動後の各電装品をバッテリだけの電気だけで補っている為)



(サーキットテスタを使った点検画像)

下記左の画像はエンジン始動前の画像、Aの画像はエンジン始動後の画像です。エンジン始動前と始動後で電圧が12.62ボルトから14.13ボルトに上昇していることから、簡易点検でこのオルタネーターは正常に作動していることが分かります。

@
 
A

抵抗


抵抗(Ω)とは、電流を妨げる性質でオーム(Ω)という単位が用いられます。1Ωとは、1ボルトの電圧をかけたときに1アンペアの電流しか流さない値のことで、抵抗の値は材質によって決まっています。また、同じ材質でも形状(長さ 太さ)、温度などにより値が変化します。

(オームの法則とキルヒホッフの法則について)

オームの法則とキルヒホッフの法則、直列接続、並列接続の特徴は自動車の電気に深くかかわるなら是非理解してほしい分野です。電気が苦手な人には嫌になる法則や決まりごとが多いかもしれませんが、自動車電装を極めるなら避けて通れないところです。私も嫌々理解しました。がんばってください(^.^)


※オームの法則について

導体に流れる電流は電圧に比例し抵抗に反比例する。

電流(I)=電圧(V)÷抵抗(R) 
電圧(V)=電流(I)×抵抗(R) 
抵抗(R)=電圧(V)÷電流(I)


※キルヒホッフの法則について

1.接続点に流れ込む電流の和は、接続点から流れ出る電流の和に等しい。

2.ある回路の電源電圧の総和はその回路の電圧降下の総和に等しい。

※直列接続の特徴

@合成抵抗は各抵抗の和に等しい。

A各抵抗には同じ大きさの電流が流れる。

B各抵抗の電圧降下の和は電源電圧に等しい。

直列接続では仮に下の回路の電源が12Vで各抵抗が2Ωとした場合、二つの抵抗を合計した合成抵抗は4Ωになりオームの法則より(12V÷4Ω)電流は回路に3A流れることになります。各抵抗に流れる電流は同じです。(参考・・・直列回路の合成抵抗は各抵抗をそのまま合計したものです)



※並列接続の特徴

@合成抵抗は各抵抗のいずれより小さい。

A電源から流れる電流は各抵抗に流れる電流の和に等しい。

B各抵抗には同じ電圧が加わる。

並列接続では仮に下の回路の電源が12Vで各抵抗が2Ωとした場合、二つの抵抗の合成抵抗は1Ωになりこの回路のA点までは12A(アンペア)流れることになり、そこから二つに分岐し抵抗の値が同じなため6アンペアずつ各抵抗に流れB点で合成しB点以降は12A(アンペア)流れ電源に戻ります。(参考・・・下の並列回路の合成抵抗の求め方は次の式に当てはめて求めます。合成抵抗=1÷(1/R+1/R) Rは2Ωなので、1÷(1/2+1/2)=1Ωになります)

2.サーキットテスタの基本的な使い方

※アナログテスターとデジタルテスターについて


サーキットテスタにはアナログ表示のテスタとデジタル表示のテスタがありデジタルテスターは精密な測定に多く利用されています。アナログはアナログの利点欠点がありデジタルにもデジタルの利点欠点があります。本来は用途によって使いわけが必要になります。ここではデジタルテスターを使用した。基本的な測定方法について説明していきたいと思います。


@電圧測定

ここではバッテリの電圧を測定してみます。テスターの測定レンジを直流電圧レンジにあわせ、テスト棒の赤色をバッテリの+端子、黒色を−端子にあて測定します。電圧を測定するときの注意点はテスターは回路に対し並列に接することです。



 


A電流測定

テスターの測定レンジを電流のレンジにあわせ、測定するもに対し直列(画像ではバッテリのマイナスターミナルとマイナス端子に直列に接続しています)に接続します。下の画像ではイグニッションキーをACCの位置にしたとき、つまりオーディオなどの電装品が作動しているときの電流を測ったものです。3.04アンペアを示しています。


 


B抵抗測定

抵抗測定はテスターから電流を逆に回路に流しその回路にどれだけの抵抗があるのかを調べるために使用します。ここでは一般的に自動車に使われている配線の抵抗を測定してみたいと思います。

抵抗の場合測定する前にゼロ調整をする必要があります。このデジタルテスターの場合ゼロ調整は無いので最初にテスト棒の抵抗をテスト棒を短絡させ点検します。下の画像の場合0Ωを示しているので問題なくこのまま点検できます。


もし表示にテスト棒の抵抗が1Ωと出た場合、その値を覚えておき測定した値からテスト棒の抵抗の1Ωを差し引けば正確な測定ができます。



デジタルテスターでの抵抗測定の場合赤のテスト棒が+側(電流を送る側)黒のテスト棒が(電流を受け取る側)になります。しかしアナログテスターの場合、抵抗レンジにした際にテスト棒のプラスマイナスが逆になる場合もあります。テスターの取扱説明書をしっかりよんで自分の使っているテスターの特徴を理解しておきましょう。



@の画像は一般的な自動車配線を測定したもので赤色の配線は0Ωを示しています。


ゼロΩということはこの赤い配線には抵抗は無く、スムーズに電流を流すことができることになります。反対に黒い配線Aはわざと赤いテープで巻いた部分を断線させてあります。


断線している配線を測定すると抵抗はこのテスターでの一番大きなレンジ10MΩを示しています。この配線では電気は断線したところで止まってしまうためスムーズに流れることができません。


ここで説明した抵抗レンジを使った配線の断線の有無を理解することができれば、実際の自動車でも電球が本当に球切れしているのかや、目で判断できないヒューズの断線を見つけることができます。又注意としては抵抗レンジで測定する場合回路に電気が流れていない状態で測定するようにしましょう。その理由はテスターに逆に電気が流れ込みテスターが壊れるのを防止するためです。

         

@

 
A








3.感電とは?


感電とは電撃ともいわれ、電気に触れたときにしびれを感じる程度から、重い場合には神経麻痺、心臓麻痺を起こして死亡までに至るような現象をいいます。そもそも感電とはどうして起こるのだろうか?


高圧線によく鳥がとまっているのを見かけたことはないでしょうか、しかし鳥は感電した様子はなく平然と飛び去っていきます。


ちなみに鳥が感電しない理由は


鳥は一本の電線の上に足を揃えてとまっていますね。この場合は鳥の電気抵抗より


電線の電気抵抗が非常に小さいので鳥には電気が流れず感電しないということになります。


又、一方では特別高圧線に触れた瞬間跳ね飛ばされて火傷をしただけで助かったという人、そうかと思うと、家庭で主婦が電源100Vの電気洗濯機に感電し死亡した例もあります。


又、自動車のスパークプラグの電撃(約10000V〜30000V)によって死に至るということは普通ではありえませんね、このことから、ただ単に高い電圧によって死に至るわけではないことが分かります。


ここで問題になるのは
人体内に流れる電流の大きさです。私たちが普段取り扱う電気は60Hz又は50Hzですが16mA以上流れると非常に危険になります。


感電した場合の危険度は、人体を流れる電流値の大きさに左右されますが、人体の通電電流の大きさは、人体の電気抵抗の大きさに関係してきます。


人体の電気抵抗は、人体内部の固有抵抗と皮膚の抵抗に分けられます。人体の内部抵抗は約500Ω〜1000Ωで一定ですが、皮膚の抵抗は、皮膚の乾湿の程度によって大幅に変化します。


乾燥している場合がもっとも高く、発汗時にはその12分の1、水に濡れていると25分の1に低下するとも

いわれています。



このことから、汗をかいている時や濡れている状態での電気製品や電装品の取り扱いは


非常に危険であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。








4.なぜ自動車にヒューズは必要なのか?


自動車又自動車だけでなくあらゆる電気製品にヒューズは必要不可欠で大事なものです。


私自身、昔ヒューズを甘く見て配線を燃やし痛い目にあったことがあります。


長い文章ですが是非最後まで読んでヒューズの役割を理解してみてください。




よく自動車の電装品(オーディオ、フォグランブ、etc)など取り付けたりしているとき、基本的にはバッテリのマイナスターミナルをはずした状態で作業することが正解なのですが


時計、オーディオなどの設定が初期に戻ってしまうのが面倒でマイナスターミナルを外さずにやって、むき出しの配線を抵抗を通らずボディーに直接アースさせバッチと火花を飛ばしヒューズを溶断させてしまったことはないでしょうか。


回路(配線)に許容範囲を超える大きな電流が流れたとき回路や電装品をを守るために用いられているのがヒューズです。


もしヒューズがなければ回路(配線)に大きな電流が流れつづけ、電気の発熱作用によって回路が焼けたり(車両火災につながる事もある)電装品が壊れたりする原因になりかねません。


そのためにも電装品を取り付ける際にはその電装品(配線)にあったヒューズを付けないといけません


 ヒューズの選び方としてはヒューズに許容電流の表示がしてあるのでまず、その回路に正常時何アンペアの電流が流れるかを求めその電流値にあったヒューズをつける必要があります。


もし5Aのヒューズを付けなければならないのに20Aなど比較的大きなヒューズを付けるとその回路の許容電流で溶断できず結果的にヒューズを取り付けていないときのようなトラブルが起こってきます。


又ヒューズが断線する原因としては2通りのことが考えられます。 一つは定格電流以上の過大電流がながれ溶断する場合と、もう一つは断続電流の繰り返しによって断線する場合です。前者の場合大きな電流が流れヒューズ中央部が完全に溶けてしまっている、


この場合はすぐに新しいヒューズに取り替えるべきではありません。ヒューズを溶断する過大電流が流れたのだから、まず回路の点検を行い短絡(ショート)あるいは各電装品に異常がないか点検し、異常な所があれば修理後に同じ容量のヒューズを取り付けます。


後者の場合、断続電流の繰り返しによって断線した場合であり、ヒューズ中央部に亀裂が入ったように断線する。一般的にこのような断線はかなりの長期間経過した後に起こるもので、そうめったに発生するものではありません。


この場合はすぐに同じ容量のヒューズと交換すればよいですが、1年以内に同じ症状が現れるようであれば回路の点検が必要となります。



自動車によく使用されるブレード型ヒューズの色別

表示(A)
10 赤色
15 青色
20 黄色
25 無色
30 緑色

回路に適したヒューズをつけるための電流の求め方

電力(W)÷電圧(V)=電流(A)

(求め方の例)120Wオーディオを取り付けますバッテリの電圧は12Vです。この回路に必要なヒューズは何アンペアのヒューズでしょう?

(回答)120W÷12V=10A







5.リレーとはなにか?リレーの役割

よくフォグランプなどを購入した際に裏面の配線図にリレーが使われた配線になっているとおもいます。そもそも自動車でのリレーの役割はスイッチに大きな電流が流れないようにするためと、電源から電装品までの配線の距離を短くする(参考・・・配線自体にも小さいながらも抵抗があるので配線が長くなると配線間で電圧が降下する)ためです。

6.ハロゲン式バルブとディスチャージ・ヘッドランプ(HID)の違いとは?


最近の自動車ではHID仕様の自動車もおおく発売されています。そもそも、ハロゲンとHIDの違いとは何か


ハロゲン式ランプの原理は、バルブ内にハロゲン化合物を不活性ガスとともに高圧で封入したものでハロゲンサイクルを利用したものです。


ランプを点灯させるとフィラメントから蒸発したタングステンがバルブ管内を浮遊し、温度の低い官壁付近でハロゲン元素と結合し、ハロゲン化タングステンとなる。ハロゲン化タングステンは、高温ではタングステンとハロゲン元素に分離する性質があり、温度の高いフィラメント付近に浮遊してきた場合に分離し、タングステンは再びフィラメントに付着する。


この現象をハロゲン再生サイクルといい、一般の白熱式バルブに比べバルブの効率がよい、耐久性に優れるなどの特徴を持っています。ディスチャージ・ヘッドライトの原理は、ランプの発光管内にキセノンガス、水銀及び金属ヨウ化物を封入し、電極間に高電圧(約20000V)を加え電子と金属原子を衝突、放電させ、光エネルギーを取り出す原理となっています。







最後までご覧いただきありがとうございました。








電気の基礎知識2・・・サーキットテスターの使い方、基礎故障診断方法









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